園長先生インタビュー#4
発達に特性のある子どもの保育に
コッファの家具を使っています!
| 心羽えみの保育園石神井台 高橋 雅江 園長 心羽えみの保育園石神井台は、子どもが興味関心や感動を伴い、経験できる環境づくりをし、学ぶことの楽しさ、思考する楽しさ、心豊かに育つことを目指されています。発達に特性のある子の保育では、どんなものに興味・関心があるのか、行動の傾向やどんなことが苦手なのか、観察しながら理解を深め支援の方向を見出されています。 |
1歳児保育室について
歩行に困難のある子が入園され1歳児室を
2つに分けました
コッファ :「発達に特性のある子ども」が増えていると聞きました。そんな中、心羽えみの保育園では受け入れに積極的だとお聞きしました。
高橋園長 :そうです。現在当園には加配児(障害児認定を受けた子ども)が7名、療育機関へ通われているお子さんが6名、その他も含めると園全体で20名近く登園されています。全園児数が128名なので全体の2割弱にあたります。
コッファ:そんな中、1歳児室を2つに分けるという工夫をされているとお聞きしました。
高橋園長:はい。4月に入園した1歳児は、歩行がしっかりしている子と走り回って遊ぶ子と育ちのペースがバラバラです。また、1歳児室にいる20名に7名の職員を配置した場合、1人の保育者の目が20名に向けられます。エリアを2つに分けて職員も3人、4人に分かれて保育することで10名の子どもを見守り、待つことができます。年度の最終には、育ちのペースが違う子同士でグループ分けをし、お互い刺激し合って育っていけるようにします。
部屋を仕切る際、
天井までの壁よりパーティションを選びました
高橋園長 :部屋を仕切る際、天井までの壁にすると場所の移動をスタッフが指示してしまうので、子どもの行動を止め、自発性が引き出せなくなります。パーティションを扉として使うと高月齢になれば自発的に扉を開けてとなりへ行くなど子ども自身が主体的に行動を起こすことができます。片方は指先でできる遊びやごっこ遊びができる環境、もう一方はダイナミックに体を使った遊びをするエリアにしています。
発達に特性のある子どもは
「刺激を整理」する必要があります
高橋園長 :子どもは興奮時や興味のある遊びがなく、部屋が広いスペースであると走り回って遊ぶことがあります。そこで走り回る子どもの「刺激を整理」「興味ある環境」に調整することが大事だと思っています。
高さ90cm のパーティションで
子どもの「視線を整理」します
高橋園長 : パーティションは90cm の高さにしました。高さ90cm だと隣が見えず気になりません。子どもの視点を考え、「視線を整理」する空間づくりを考えると落ち着きが違います。
乳幼児が生活の見通しをもつのに「動線」を つくり、
「環境の刺激をコントロール」します
高橋園長 :外から入室の際、そこを通ったら帽子を片付け、靴を入れ、靴下をいれ、手洗い場に行き、絵本を見て待つという動線をつくりました。特性のある子にも分かりやすい環境となります。広い部屋の環境ですと目の前の刺激に影響され走り回ることも起こります。
3・4・5歳児保育室について
発達に特性のある子の
気持ちを落ち着かせます
高橋園長 :3・4・5歳は異年齢保育をしています。発達に特性のある子が落ち着かない時はトランポリンなどで身体動かします。身体を動かすことで感覚統合の前庭覚(バランス・三半規管)が安定し、気持ちも落ち着きます。その後の遊びにも変化が現れ、静かに絵本を読んだり、絵を描いたり、身体を止めて落ち着いて過ごす姿があります。
子どもが集中する空間を
キャスター付き家具で作っていきます
高橋園長 :子どもの身長より少し高い棚で空間を作っていくことを「構造化」といいます。遊びの空間を作り視界を狭めて目の前にあるものに集中できるようにする。そこに友人が入ってきてもその子が集中しているときは声をかけませんが、友人に目が行ってしまうときはサポートに入ります。そんな空間をつくる際コッファのキャスター付きに家具をよく使っています。
パーティションで狭い空間をつくると
寝入りが良くなります
高橋園長:おひるねの時も広い空間ではなかなか眠れない子がいます。この子にはパーティションで狭い空間をつくると落ち着き寝入りがよくなります。
子どもはどう遊んだらいいかを
考えるようになります
高橋園長 :保護者の懇談会を子どもが遊んでいる広い空間で行いました。移動できるキャスター付きのロッカーで空間を区切り懇談会を進めたところ、子どもが気を遣って声を小さくしました。子どもはその時どのように遊んだらよいのかを自分で考えるようになります。イスを持ってきて懇談会を聞く子もいました。
読み聞かせをしていただいているときも、読み聞かせのエリアにパーティションを2枚置くだけで、エリア外で遊んでいる子どもが小声になるなど、気遣いができるようになりました。
コッファのすごろくについて
すごろくは
数の概念を学べます
コッファ:高橋先生が考案されたコッファのすごろくはいかがですか
高橋園長:すごろくは数の概念を学べます。1 で 1マス進めるということが分からない子どもも多く、枠がわからない子もいます。繰り返し遊ぶことで徐々に理解できるようになります。当園には児童発達支援センターの機能に似た『クローバー』という部屋があり、少人数ですごろく等を楽しみます。
すごろくに躓く子の中には、就学後の算数が苦手になることが多いです。
天蓋について
天蓋で天井を低くすると
落ち着きます
高橋園長:子どもの身長は平均で100センチ。その子どもにとって天井が高いと広い場所に置かれている気持ちになり落ち着きません。天蓋で天井を低くすると落ち着きます。また、電気の直視をカットするために天蓋を置いています。
事務室での取り組みについて
先生考案のハイチェアは事務室にあって
ここで遊んでいる子が一人います
コッファ:先生考案の大人と目線のそろうイスはいかがですか?
高橋園長:ハイチェアで大人と目線が同じになると、先生と子どもではなく同じ立場で話ができます。現在登園して保育室に行かず事務室に来る子が一人います。保育室がザワザワしていて事務室で落ち着きたい、先生に話を聞いてもらいたい。そういう子がここへ来てハイチェアに座って遊びながら心を落ち着かせたり、食事をしたり、話を聞いてもらったりしています。
その子は園室の場所が変わってしまったのがきっかけで、前の晩から親を怒ったり、朝起きても不機嫌になりました。その子本人と話し合った結果、事務室で自分で遊びたいということになり、そのようにしたら登園がスムーズになりました。
この子はこのまま事務室に安住するのではなく
いずれ保育室に戻ると確信しています
高橋園長:職員によっては事務室にいさせるのではなく、子どもの集団に戻したほうが良いのではという考えもありました。その際職員と「子どもがここに安住するとは思えない」という見通しの話をしました。少なくとも「お泊り保育(7月頃)」までに集団へ入っていけるよう見通しを立て、保育者がついて見守るようにします。また、お泊り保育ではグループで活動することが多くなるので、小集団での動きが安心につながり結果、「心配だったけど皆と一緒にできた」と実感できるので、今までそうやって変わってきた子を育てた経験から確信をもっています。
今欲しい保育家具について
乳幼児は視覚優位なので
言葉を視覚化するホワイトホードがほしいです
コッファ:今これがあったらいいなという製品はありますか
高橋園長:言葉だけだと入ってこない子や記憶に定着しない子がいます。乳幼児は視覚優位です。そういう子にはボードに書いてあげると記憶が定着します。そんな場面で使える磁石付きホワイトボードあるといいと思います。フィンランドの保育を見学した際にもホワイトボードあり言葉を視覚化していました。キャスター付きで頑丈、高さがあるものがいいと思います。
ホワイトボードに見通しを描くと
子どもは安心します
高橋園長:そのホワイトボードに本日の予定を書きます。子どもは見通しを立ててあげると安心します。不安の強い子は見通しがないことで自分がやっていたことが突然終わらされることで癇癪を起こします。見通しを決め、ルーティンと自由な時間が見えたら不安になりません。
子どもの発達について
保育士は子どもの
定型の発達を知ることが大事です
高橋園長:保育士には0歳から6歳までの身体、心の発達をきちんと見られるようにしてほしいと思っています。定型の発達を知る事が大事です。子どもの育ちは一人ひとりのペースがあります。だいたいの発達の道筋を理解していると、次にどんな環境、対応をしたらよいかが見えてきます。それが分かると見守り方が変わります。
真似ができるのは
発達の大きな要です
高橋園長:乳児や低年齢児クラスは食事のグルーピングをするときに、自分で食べられる子と手でつかむ子を分けています。咀嚼や嚥下のペースが違い、食形態が違う場合もあり、別に分けて食事をしますが、食べ方がしっかりしてきたところで、徐々に自分より発達している子と一緒にすることで真似できるようになってきます。自分で気づき真似ができるのは発達の大きな要です。